うなじのストレッチング

 うなじのストレッチングは頸を前に曲げて行います。あごを軽く引いてから頭を前に倒します。両手指を組んで頭の上少し後に乗せ重みをかけます。うなじがストレッチされます。あごの力を抜いて下さい。 そのままほどけるのを待ちます。繰り返しおこないます。今度は少し頸を横に倒したり、ねじったりして気持ちよくストレッチされる所を探しその姿勢でほどけるのを待ちます(図1)。 からだを少し傾けてうなじがより伸ばされる姿勢を捜して行うと効果が上がります。

図1
図1

頭の付け根のストレッチング

 両腕を顔の前でそろえ、頭を抱えるように頭頂部に指をかけて、あごをのどの奥の方向に軽く押し込むようにすると、頭の付け根の部分がストレッチされます(図2)。

図2
図2
 繰り返し行います。うなじのストレッチングと同様に頸を少し倒したり、ねじったりして行います。 うなじのストレッチングでは頭痛、目の疲れが瞬時に消えることも珍しくありません。

のどのストレッチング

 あまり意識されることはありませんが前頸部もこっています。頭を横に倒し少し後ろに傾け、その位置で頸をねじり突っ張る筋肉を探します。あごを緩めます。 気持ちよく引っ張られる筋肉が見つかったら、そのままの姿勢でほどけるのを待ちます(図3)。

図3
図3
 何回か繰り返します。一番硬かった筋肉がゆるむと次の硬い筋肉が見つかります。その筋肉がゆるむとまた次が見つかります。こうして傾ける角度、ねじる程度を変えてゆるめてゆきます。 あごを上げたり引いたり、横にずらしたりしても結構です。椅子なら背もたれにもたれて行うとより効果があがります。あごがすっきりします。咳が止まります。耳鳴りが軽くなる人もいます。

「一番こるところ」のストレッチング

 右手で右足のかかとを内側からつかみ、肩のこった部分(肩甲上部)を引き伸ばすように膝を伸ばしてゆきます。背中の中ほど部分(肩甲間部)をストレッチするには背中を 丸めます。 肩のこる場所のストレッチは足を下に(図4-1)、背中の中ほど部分のストレッチは足を上に挙げ膝を伸ばして行きます(図4-2)。 伸ばしたいところが引っ張られるように背中をまるめるのがポイントです。 弓にたとえると身体が弓で手と足が引き絞ったつるのイメージです(図4-3)。膝は曲がっていてかまいません。

図4-1 図4-2 図4-3
図4-1 図4-2 図4-3

背中のストレッチング

 胴体(躯幹)を一枚の折紙に例えると、対角線上で二つに折るように身体を曲げてストレッチングをします(図5)。

図5
図5
 身体をみぞおちのあたりで少し前に曲げたまま、からだをねじって、肩関節を反対側の足の付け根(股関節)に近づけようとします。背中にストレッチ感が出たらそのままの姿勢でほどけるのを待ちます。 曲げる角度、ひねる角度をいろいろ変えて試します。手で反対側のももにつかまってやってもいいでしょう。

首が細く長くなる

 これらのストレッチングで筋肉の緊張が取れると、首が細く長くなります。 これは頸そのものの筋肉がゆるみ細くなるためと肩こりの盛り上がりが無くなり長くいなったように見えるのです(図6)。 筋肉は疲労のため長距離を歩いた後のふくらはぎのように硬く盛り上がっています。それがとれると柔らかく細くなるのです。

図6
図6

ストレッチングの効果

 肩こりを緩めることで頭痛、目の疲れ、咳、めまい、耳鳴り、肩関節の痛み、吐き気などいろいろな症状が軽快します。寝違い、頸肩のトラブルの発生を防ぎます。 最近では頸の緊張感を取ると脳内血流量が増え、全身の神経系の働きが良くなるといわれています。

ストレッチングの原則

 気持ちよく筋肉が伸びる感覚で20秒間待つのが原則ですが、時間にこだわらず気持ちよくほどけるのを待ちましょう。引っ張られる気持ちよさを味わいましょう。 呼吸は止めないでゆっくり、伸ばされている筋肉を意識します。痛みや違和感があればやってはいけません。

一番大切なこと

 緩めてやろうとしないでほどけるのを待つことです。伸ばしてやろうとしないでほどけてゆくのを待ちます。時間を贅沢に使いましょう。今まで自らのからだのために時間を使ったことがあったでしょうか。 からだの意見を優先させたことがあったでしょうか。からだに感謝してからだと対話しながらやって下さい。ゆっくりと心地よい時間をすごす気持ちを持って、ほどけるのを待ちましょう。

リラックスのしかた

 リラックスはいがいに難しいものです。力を抜くことはなかなか出来ません。力を抜くのは力を入れるの反対ではなく、どこからか飛んでくるものなのです。 リラクゼーションの技法で有名な自律神経訓練法のやり方を試して下さい。ストレッチの姿勢を取り「手足が重たくな〜る」と頭の中で数回繰り返し唱え、自己暗示をかけます。 「手足が重たくな〜る、重たくな〜る、あごが、べろがゆるみま〜す。目がとろ〜んとします」頭の重さを 頸で感じられるようになります。ゆっくり待ちます。ほ〜らゆるんできたでしょう。